日東化工機株式会社
 
HOME 製品案内 ニュースリリース 会社概要 採用情報
 
ニュースリリース
 

プラスチックと鉛の複合新製品を開発

経営学の教科書などでは、新しい技術が登場したとき、思い切って旧来の技術を捨て、経営資源を新技術に集中することで、ライバル企業との競争に勝てと教える。
だが、塩ビパイプが登場したとき日東化工機は鉛管を捨てるどころか、再三の増資を行って鉛管製造部門を強化していった。
「鉛は、①可撓性があり、②質量が重く、③高濃度の酸・アルカリに強い優れた耐食性を示す④入手が容易で⑤比較的安価な金属です。可撓性があるため、曲げや振動に強く、地震対策部材等にも数多く使用されています。また質量を有することから、遮音材や放射線の遮蔽にも利用されています。こうした特性から鉛は決して過去の金属ではないと考え、鉛の加工技術を磨いてきました」
昭和53年、同社は二つの得意技術を活用し、鉛とプラスチックを結びつけた画期的なアイデア商品「プラコートエンカン」を開発。全国の自治体向けに給水用の水道管として売り出した。
さらに改良を加え10年後の昭和63年には鉛管の内外面をポリエチレン樹脂でコートした「プラコートクリーンパイプ」の開発に成功、この新型パイプはJIS規格製品として認められた。
プラコートクリーンパイプの特長は、鉛管と樹脂パイプのメリットをドッキングさせることで相乗効果を発揮することにある。外部からのさまざまな腐食や損傷を防止でき、しかも可撓性に富むところから、コンクリート中への直接配管が可能。電車軌道や変電所などから発生する迷走電流による電食も防ぐ。また内面も樹脂でコートされているので飲料水等が直接鉛に接することもない。
しかもコートに使われた樹脂は密着力が高く、伸展性に優れているため、ストレスがかかることが少ない。したがってはく離や亀裂などが発生することもなく、加工性は鉛管とほとんど変わりない。 
プラコートクリーンパイプの成功により、平成2年1月、同社は昭和31年の設立以来、日東プラスチック工業と日東鉛管製造所の二社に分離していた化工機部門と金属事業部門の業務を統合し、新たに現在の日東化工機に社名を変更した。
統合と同時に制作した同社の会社案内には、「P&Mのインターフェイスを求めて限りない前進をめざす」という企業理念が掲げられている。
いうまでもなくPはプラスチックであり、Mはメタルつまり鉛を指す。メタルから始まった同社の事業は、プラスチックというライバル商品を味方に付けることで大きく発展を遂げた。さらに両者を融合することで、第三の発展の道を追求しようとしている。
P&Mのインターフェイスを実現した日東化工機の本格的な挑戦が、2000年のいまから始まろうとしている。