日東化工機株式会社
 
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ニュースリリース
 

下水処理場で活躍する脱臭装置

東京お台場の臨海副都心の中心に不思議な建造物がある。高さ140メートルの三角煙突を持つ建物と、UFOがビルの屋上に着陸したような建物と、それに隣接したカマボコ型の建物だ。
三角煙突は東京都清掃局の有明清掃工場で、あとの二つは東京都下水道局の有明処理場。三棟をあわせて、別名を「クリーンセンター」と言い、清掃工場と下水処理場、地域冷暖房システムの拠点となっている。
地表からは想像できないが、この都市はむしろ地下の方が壮観だ。ゴミ、下水、廃熱処理のシステムが地域全体の地中を縦横に走り、そのスケールは、未来都市の蕫静脈﨟に相応しい壮大なものである。
静脈が戻ってくる心臓部分がクリーンセンターの地下にある巨大プラントである。各建物から排出されたゴミや下水などは、地下に張り巡らされたパイプによって、ここに集中する。たとえばゴミの場合、地下に巨大な電気掃除機があり、各建物とホースでつながっている姿を連想していただければいい。掃除機が吸引したゴミは清掃工場で焼却され、その熱エネルギーは、今度は地下の蕫動脈﨟によって副都心内の建物に供給される。
冒頭の三角煙突は清掃工場の排気口だ。臨海副都心全体のゴミがここで燃やされ、廃ガスがこの煙突から大気中に吐き出される。そのために、さまざまな環境保全装置が設けられ、東京の大気を汚染しないように工夫されている。
センターが完成したのは平成7年。クリーンで悪臭のない理想的な排気を実現するために、東京都は最先端の環境装置をここに設置した。その一部として活躍しているのが、地元江東区の日東化工機株式会社が製造した脱臭装置「活性炭吸着設備」である。原理は廃ガスの臭気を活性炭によって吸着脱臭するというもの。経済性に優れ、設置場所のスペースもとらない。また活性炭はばら積み方式なので取り替えが容易で再生・再利用できる。処理能力は1分間に1500立方メートルと高水準だが、機械全体は2階建て住宅ほどの大きさ。規模の割にはコンパクトにまとまっている。
臨海副都心に採用された日東化工機の環境装置はこれだけではない。長年の実績とすぐれたエンジニアリング技術が評価され、運搬車を使わないチューブによる画期的なゴミ収集方式に関与、施工の一部も担当し、隣の下水処理場にも同社の脱臭装置が使われている。
臨海副都心を例に、実際に同社の環境設備がどんなところに使われているかを説明したが、ほかにも全国各地の下水処理施設などで日東化工機の脱臭設備が環境保全の下支えを担っている。
海外の例もある。
平成8年に、シンガポールのジョホールバルに最も近いクランジ地区に建設されたのがそれ。
プラントメーカーの要請により、機器をマレーシアで組み立て、現地の作業者と協力して施工を担当。
シンガポール最大規模の下水処理場の脱臭設備システムとして本格的に稼働しており、同社の技術は国際的にも高く評価された。